私は母の事が大好きでした。母は私が生まれてから正社員の仕事を辞めて一緒にいてくれたから、ずっと母が側に居てくれてたから。
そんな大好きな母と会えなくなるなんて思いもしませんでした。
1:お母ちゃんはどこ?
小学一年生(6歳)の時、学校で嬉しい事があった。同じクラスに初めて好きな男の子が出来た。
「お母ちゃんに好きな子の事話したい!」と
急いで学校から帰ってきた。
真っ暗なリビングに違和感を感じながら母を呼んでも返事がなく、仕方なく遊びながら母が帰ってくるのを待っていた。

2:お腹空いたから
すぐに小学3年生(8歳)の兄が帰って来た。
兄「母ちゃんは?」
私「いない。」
そう言うと兄は、「えー。明日軍手持っていかなあかんのにー」と言いながら宿題をし始めた。
18時頃
まだ母は帰って来ない。
兄弟でぷよぷよやマリオのゲームし放題。
お腹が空いた兄がお菓子を持ってきて一緒に食べた。
20時頃
まだ母は帰って来ない。
兄「えーもう8時やん。何でもいいから飯食おう」と、一緒に夕飯を食べることにした。
昨日の夜から残っている黄色くなった ご飯と、ハム、お茶。
ハムは普段からあまり食べれないから嬉しかった。
いつの間にか2人共リビングで寝落ちした。
3:父が帰ってきた
23時頃
父が仕事から帰ってきた。
リビングに入った瞬間にいつも2階の寝室で寝ている子ども達がリビングの床で寝ている事に驚き、
父は私と兄を起こした。
母がどこにいるか聞き「学校から帰った時から居なかった」と兄が説明すると、
父は怒った顔をして「クソババァが、、、」と呟きながら、子ども達にパジャマに着替えて寝室で寝るように言った。
24時頃
母が居なくて寂しい。会いたくて全然寝れなかった。
大きな声が聞こえて母が帰ってきたと思いバレないようにゆっくり階段を降りたら、父が誰かと電話する声だった、、、。
母ではない誰かと電話して、怒ってる。
2階に戻ると兄も起きてた。
兄「母ちゃんいた?」
私「うーうん」
兄「、、、。どうする?母ちゃん、ばあちゃんの家泊まってたら。」
私「次は一緒に行きたいって言う。」
兄「笑」
その日から家族が壊れていきました。
振り返り
あの日が始まりだった。
新築の家に住みはじめてまだ2ヶ月ぐらいなのに。「お友達とご飯食べてはる?」「おばあちゃんの家にお泊りしてはる?」その時の私は心配より寂しい気持ちでいっぱいでした。
この時、きっと母は本当に限界だったんだと思う。
子ども達の為に仕事を辞め、家庭に入ってから6年。家事が苦手だった母は頑張ったんだ。
そして心が壊れてしまったんだ。
誰か一人でも母を支えられる家族が居てたら、
今の私がタイムスリープして母に寄り添う事ができたら。なんて若い時は思っていました。
今日の田舎は曇りのち雨。
田園風景が続く田舎で夜、カエルが大熱唱しています。
時々私達家族も対抗してやろうか。「どーんぐりこーろこーろ!!どーんぐーりこーーーー!!!!」
カエルはビックリもせず無視。
窓を開けていたらハエが入ってきて、また出て行きました。
一緒に住むことは出来ないんだ。ごめんよ。
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